
小さな黄色い花をたくさん咲かせるゴールデンロッド。
「Goldenrod(黄金の杖)」という名前のとおり、花が集まって咲く姿は明るい黄金色に見えます。
ハーブティーにすると、華やかな見た目とは少し印象が変わり、草木を思わせる穏やかな風味に、ほのかな渋みや苦みが重なります。
単独でも楽しめますが、ペパーミントやエルダーフラワーなど、香りのあるハーブと組み合わせやすいのも魅力です。
今回は、そんなゴールデンロッドの植物としての特徴から、味わい、含まれる成分、ハーブティーとしての楽しみ方まで見ていきましょう。
ゴールデンロッドとは?
ゴールデンロッドは、キク科アキノキリンソウ属(Solidago属)の多年草です。
ヨーロッパなどに分布する Solidago virgaurea は「European Goldenrod」と呼ばれ、ハーブとして利用されてきました。
夏から秋にかけて黄色い小さな花を咲かせ、ハーブには主に地上部が用いられます。
「ゴールデンロッド」という名前で呼ばれる植物には複数のSolidago属植物があるため、ハーブを選ぶときには植物名や原材料表示を確認してみるのもよいでしょう。
ゴールデンロッドの香りと味わい
ゴールデンロッドのハーブティーは、強い香りを楽しむタイプというより、植物らしい素朴な風味をゆっくり味わうハーブです。
乾燥した草や花を思わせる穏やかな香りがあり、口に含むとやさしい風味の中に、わずかな苦みや渋みを感じます。
ペパーミントのようなはっきりとした清涼感や、カモミールのような甘い芳香とはまた違った味わいです。
温かいうちは草木のような風味を感じやすく、少し冷めてくると穏やかな味わいの中にある渋みも感じ取りやすくなります。
単独では少し地味に感じる場合には、ほかのハーブを合わせることで表情が変わります。
ゴールデンロッドに含まれる特徴的な成分
ゴールデンロッドには、フラボノイド、トリテルペンサポニン、フェノール性成分、タンニン、少量の精油成分などが含まれています。
フラボノイド
ケルセチンやケンフェロールなどのフラボノイド類が含まれています。
フラボノイドは植物が紫外線などの環境ストレスから身を守るためにつくる成分のひとつで、抗酸化作用をもつことが知られています。
サポニン
ゴールデンロッドには、virgaurea saponins(ビルガウレアサポニン類)と呼ばれるトリテルペンサポニンが含まれます。
サポニンはさまざまな植物に存在する成分で、ゴールデンロッドの特徴をつくる成分のひとつです。
フェノール性成分・タンニン
フェノール性成分やタンニンも含まれています。
タンニンには収れん性があり、ハーブティーを飲んだときに感じる、わずかな渋みとも関係しています。
こうして成分を見てみると、ゴールデンロッドの少し素朴で渋みを含んだ味にも、植物そのものの特徴が表れていることが分かります。
ゴールデンロッドと身体との関わり
ゴールデンロッドは、ヨーロッパの伝統的なハーブ利用では、特に尿量を増やして尿路を洗い流す目的で用いられてきた植物です。
そのため、「デトックス」という言葉で紹介されることもありますが、身体の中の「毒素を排出する」と考えるより、水分を摂りながら尿の排出に関わるハーブと捉えるほうが適切です。
また、含まれるフラボノイドなどには抗酸化作用が知られています。
ただし、ハーブティーは医薬品ではありません。
「花粉症を治す」「鼻づまりを改善する」といった目的で飲むものではなく、植物の風味や温かい飲み物を楽しみながら、日々の暮らしに取り入れるものとして考えておきたいところです。
ゴールデンロッドティーの楽しみ方
まずはシンプルなハーブティーで、ゴールデンロッドそのものの味を確かめてみましょう。
基本のゴールデンロッドティー
材料
・乾燥ゴールデンロッド……小さじ1~2
・熱湯……約250ml
作り方
ティーポットにゴールデンロッドを入れ、熱湯を注ぎます。
5~10分ほど蒸らしたら、茶こしでこしていただきます。
最初は薄めに淹れて、香りや苦みを確かめながら好みの濃さを見つけるのもよさそうです。
ほかのハーブと組み合わせて味わう
ゴールデンロッドは、ほかのハーブと組み合わせることで、香りや味わいの違いを楽しむこともできます。
それぞれのハーブの個性を生かしながら、自分の好みに合うブレンドを見つけてみましょう。
ゴールデンロッド × ペパーミント
ゴールデンロッドの穏やかな草木の風味に、ペパーミントの清涼感をプラス。
ペパーミントのメントールによる涼やかな香りが加わることで、軽やかで飲みやすいブレンドになります。
暑い季節や、食後にすっきりした風味を楽しみたいときにも合わせやすい組み合わせです。
ゴールデンロッド × エルダーフラワー
エルダーフラワーのやわらかな花の香りを重ねる組み合わせ。
ゴールデンロッドだけでは少し素朴に感じるときに、花のニュアンスを加えてくれます。
植物の花を味わうブレンドとして楽しむのも素敵です。
ゴールデンロッド × ルイボス
クセの少ないルイボスを合わせると、ゴールデンロッドの草木らしさがやわらぎます。
香りの強いハーブが苦手な方にも試しやすい組み合わせです。
レモンや少量のはちみつを加えて、味の変化を楽しんでもよいでしょう。
こんなときに楽しみたい
ゴールデンロッドは、強い香りで気分を切り替えるというより、穏やかな植物の味をゆっくり楽しみたいときに向いています。
温かいハーブティーでほっとひと息つきたいとき。
ペパーミントなどと合わせて、すっきりした風味を楽しみたいとき。
季節の変わり目に、いつものお茶とは少し違う植物の味を取り入れたいとき。
そんな日常の小さな時間に選んでみるのもよさそうです。
暮らしにゴールデンロッドを取り入れる
ゴールデンロッドを初めて味わうなら、まずは乾燥ハーブを少量から。
一度シングルハーブで飲んでみると、その植物がどんな香りで、どんな味なのかが分かりやすくなります。
そこから、
「もう少し爽やかにしたいからペパーミント」
「花の香りを足したいからエルダーフラワー」
というように、自分の好みに合わせてブレンドしていくのもハーブティーの楽しみ方のひとつです。
商品を見る
ゴールデンロッドを実際に味わってみたい方は、ハーブティーとして利用できる食品用の乾燥ハーブを選びましょう。
観賞用やクラフト用ではなく、商品表示で「食品」「ハーブティー」など、飲用できることを確認してから使用します。
ゴールデンロッドを楽しむときの注意点
ゴールデンロッドはキク科の植物です。キク科植物にアレルギーがある方は注意が必要です。
また、尿量を増やす目的で伝統的に利用されてきたハーブのため、心臓や腎臓などの病気によって水分摂取を制限されている方や、利尿薬などの薬を使用している方は、自己判断で積極的に摂取せず医師や薬剤師に確認してください。
妊娠中・授乳中の方、治療中の病気がある方も、ハーブを継続的に取り入れる場合は医療専門家に相談すると安心です。
なお、この記事で紹介しているのは食品として楽しむハーブティーについてです。精油などの濃縮された製品とは分けて考えましょう。
植物を味わう時間
鮮やかな黄色い花を咲かせながら、お茶にすると素朴で穏やかな味を見せてくれるゴールデンロッド。
華やかな香りだけが、ハーブの魅力ではありません。
少し草木らしい香りがしたり、わずかな渋みを感じたり。
そんな一つひとつも、その植物が持っている個性です。
最初は一種類で。
次は好きなハーブを少し合わせて。
香りを確かめながらゆっくり口に含んでみると、これまで気づかなかった植物の味に出会えるかもしれません。
ゴールデンロッドのように、植物の香りや味わいをゆっくり楽しむ時間。
ほかにも、季節や植物を味わいながら、自分に合う癒しを探してみませんか?


