忙しい日が続いたり、気を張ることが続いたりすると、「なんとなく疲れている」「眠りが浅い」「肩に力が入っている」など、いつもとは違う変化を感じることがあります。
反対に、身体の疲れがたまっていると、気持ちまで落ち着かなくなったり、いつもなら気にならないことが気になったりすることもあります。
心と体は、それぞれ別々に働いているようでいて、実は深くつながっています。
そのつながりを知るうえで、ひとつの手がかりになるのが「自律神経」です。
この記事では、ストレスをなくす方法を探すのではなく、心と体がどのように影響し合っているのかを知り、自分自身の小さな変化に気づくきっかけをつくっていきます。
心と体は、別々ではなくつながっている
私たちは、気持ちが落ち込んでいるときに身体まで重く感じたり、反対に身体の疲れがたまっていると気持ちまで余裕がなくなったりすることがあります。
たとえば、仕事や人間関係などで緊張することが続くと、肩や首に力が入りやすくなったり、眠りにくくなったりすることがあります。
また、睡眠不足や疲労が続けば、気持ちの切り替えが難しくなることもあります。
このように、心の状態と身体の状態は、お互いに影響し合っています。
「最近なんとなく調子が違う」と感じたときには、身体だけ、あるいは気持ちだけを見るのではなく、今の自分全体の状態を眺めてみることも大切なのかもしれません。
ストレスを感じると、体では何が起こる?
ストレスというと、精神的な負担を思い浮かべることが多いかもしれません。
けれど、身体にとっては、暑さや寒さ、疲労、睡眠不足なども負担になることがあります。
何らかの刺激や緊張を感じると、身体はその状況に対応しようとします。
そのときに関わっているのが、自律神経です。
自律神経は、私たちが意識していなくても、心拍や呼吸、消化など、生命を維持するために必要なさまざまな働きを調整しています。
だからこそ、心の状態に変化があると、身体にも変化を感じることがあります。
「気持ちの問題だから」と切り離すのではなく、心と体の両方から自分の状態を見てみる。
それだけでも、自分の変化に気づくきっかけになります。
自律神経は、活動と休息を支えている
自律神経には、大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」があります。
交感神経は、活動しているときや緊張しているときなどに働きやすく、副交感神経は、休息しているときやリラックスしているときなどに働きやすいとされています。
私たちは一日の中で、仕事や家事をしたり、人と話したり、身体を動かしたりする一方で、眠ったり、食事をしたり、ゆっくり過ごしたりもしています。
自律神経は、こうした活動と休息の切り替えにも関わっています。
交感神経と副交感神経で、身体はどう変わる?
自律神経は、身体のさまざまな働きを状況に合わせて調整しています。
代表的なものを比べてみると、次のようになります。
| 身体の働き | 交感神経が優位なとき | 副交感神経が優位なとき |
|---|---|---|
| 心臓 | 心拍数が増える・収縮力が高まる | 心拍数が減る |
| 気道(気管支) | 拡張する | 収縮する |
| 瞳孔 | 拡大する | 縮小する |
| 消化管 | 動きが抑えられる | 動きが促される |
| 消化液 | 分泌が抑えられる方向に働く | 分泌が促される |
| 膀胱 | 尿をためる方向に働く | 排尿する方向に働く |
| 唾液 | 分泌量が減り、粘り気が出やすい | 分泌が促される |
| 筋肉の緊張 | 高まりやすい | ゆるみやすい |
| 発汗 | 発汗が促される | 直接的な作用は小さい |
※これは代表的な働きを簡略化したものです。実際の身体では、臓器や部位によって作用の仕方が異なります。また、筋肉の緊張は自律神経だけで決まるものではありません。
交感神経と副交感神経は、いつもどちらか一方だけが働いているわけではありません。
そのときの状況に応じて、それぞれが働きながら身体の状態を調整しています。
大切なのは、どちらか一方を「良い・悪い」と考えることではありません。
活動するときには活動できること、休むときには休めること。
そのように、そのときの状況に合わせて身体の状態が切り替わっていくことが大切です。
心の状態は、身体の変化として現れることがある
気持ちの変化は、いつも「悲しい」「つらい」といった感情として現れるとは限りません。
身体の感覚として気づくこともあります。
たとえば、
- 首や肩に力が入っている
- 呼吸が浅く感じる
- 胃腸の調子がいつもと違う
- なかなか眠れない
- 朝起きても疲れが残っている
- なんとなく身体が重く感じる
などです。
もちろん、こうした変化にはストレス以外にもさまざまな原因があります。
そのため、「この症状があるからストレスが原因」と決めつける必要はありません。
ただ、いつもと違う変化に気づいたとき、
「最近、少し無理をしていなかったかな?」
と、自分の過ごし方を振り返ってみるきっかけにはできます。
身体の変化も、自分に気づくきっかけになる
私たちは、忙しい毎日を過ごしていると、自分の疲れや緊張に気づかないまま過ごしてしまうことがあります。
「まだ大丈夫」と思っていても、身体は先に小さな変化を感じさせることがあります。
肩がいつもより重い。
呼吸が浅く感じる。
なんとなく眠りに入りにくい。
食事をしても、いつものように味わえない。
そんな小さな変化に気づいたら、すぐに何かを改善しようとするのではなく、まずは「今の自分はこんな状態なんだな」と気づいてあげる。
それだけでも、自分をいたわる最初の一歩になります。
肩や首の変化から、身体の声に気づく
身体に現れる変化のひとつとして、首や肩のこわばりがあります。
長時間同じ姿勢で過ごしていたり、無意識に力が入っていたりすると、首や肩が重く感じられることもあります。
そんなときは、「肩がこっているからほぐさなければ」と考えるだけでなく、今、自分の身体にどんな変化が起きているのかを感じてみるのもよさそうです。
首や肩をいたわるセルフケアについては、こちらの記事でも紹介しています。
心と体の声に気づいたら、少し立ち止まってみる
心と体の状態は、毎日同じではありません。
よく眠れた日は身体が軽く感じるかもしれませんし、忙しい日が続けば、いつもより緊張していることに気づくかもしれません。
だからこそ、「いつもこうだから」と決めつけるのではなく、その日の自分を少し観察してみるのもよさそうです。
深く息を吐いてみる。
温かい飲み物をゆっくり味わう。
好きな香りを楽しむ。
静かな音楽を聴く。
身体を温める。
窓から外の景色を眺める。
どれも特別なことではありません。
けれど、こうした小さな時間の中で、自分の心や身体が今どんな状態なのかに気づくことがあります。
五感を使って、自分をいたわる時間へ
心と体のつながりに気づいたら、次は「自分をどういたわるか」を考えてみるのもよさそうです。
香りを楽しむこと。
光や景色を眺めること。
音楽に耳を傾けること。
温もりに触れること。
食べものや飲みものを味わうこと。
私たちは、毎日の中でたくさんの感覚を使っています。
その五感を意識してみると、忙しさから少し離れて、自分のための時間をつくるきっかけになるかもしれません。
心と体の状態に気づくことから、五感を使って自分をいたわる時間へ。
次の記事では、香りや音、光、温もり、味わうことなど、五感を通して心と体を休ませる時間について紹介します。
六感から、自分に合う癒しを探す
心と体の状態に気づいたら、次は自分が心地よいと感じるものを探してみるのもよさそうです。
香り、光、音、触れること、味わうこと。
五感を通して感じるものは、人によって心地よさもさまざまです。
六感サイトでは、それぞれの感覚から自分をいたわるヒントを紹介しています。


