
パルマローザは、ローズを思わせる甘く華やかな香りを持つ、イネ科の植物から採れる精油です。
名前だけを見るとローズの仲間のようですが、実はレモングラスやシトロネラと同じイネ科。
細い葉を持つ植物から、こんなにフローラルな香りが生まれるのがおもしろいところです。
香りの中心となるのは、モノテルペンアルコール類のゲラニオール。
ローズやゼラニウムにも含まれる芳香成分で、パルマローザの特徴的な甘い香りをつくっています。
華やかさがありながら、ローズほど重たくなく、草のような爽やかさも残るパルマローザ。
フローラル系の香りが好きだけれど、甘すぎる香りは少し苦手という方にも、試してみてほしい精油です。
精油について
パルマローザの学名はCymbopogon martinii。
イネ科の多年草で、インドを中心としたインド亜大陸が原産とされています。
細長い葉を持つ植物で、開花する頃の地上部から水蒸気蒸留によって精油が採られます。
パルマローザ精油の基本情報
- 学名:Cymbopogon martinii
- 科名:イネ科
- 主な産地:インドなど
- 抽出部位:葉・花穂などの地上部
- 抽出方法:水蒸気蒸留法
- 主な芳香成分:ゲラニオール、酢酸ゲラニル、リナロールなど
品種や栽培条件、収穫時期によって成分比率には違いがありますが、パルマローザ精油ではゲラニオールの割合が高いことが大きな特徴です。
どんな香り?
香りの印象
パルマローザを最初に嗅ぐと、ふわっとローズを思わせる甘さが広がります。
ただ、ローズそのもののような濃厚な花の香りではありません。
甘さの中に少し青みのある草のようなニュアンスがあり、すっとした軽さも感じられます。
「ローズの華やかさと、草の爽やかさが一緒になった香り」
そんな表現が近いかもしれません。
華やかなのにどこか素朴さが残るところも、パルマローザのおもしろいところです。
香りの強さ
香りは比較的しっかり感じられますが、重たいフローラル系ではありません。
甘さがありながらも、草のような爽やかさがあるので、フローラル系の中では取り入れやすい香りです。
香りのノート
パルマローザは、ローズ調の香りが比較的長く残りやすい精油です。
- トップ〜ミドル:甘くフローラルで、ローズを思わせる香り
- ミドル:ゼラニウムのような華やかさ
- ベース:少しハーバルで落ち着いた印象
ブレンドの中では、フローラルな華やかさを加えながら、香り全体をつなぐような役割もしてくれます。
ブレンドとの相性
ローズやゼラニウムなどのフローラル系とはもちろん、ラベンダー、ベルガモット、フランキンセンスなどとも合わせやすい香りです。
また、レモングラスなど同じイネ科の香りと組み合わせると、甘さの中に爽やかさが生まれます。
主な成分と特徴
パルマローザ精油を特徴づけているのが、ゲラニオールです。
ゲラニオール
ゲラニオールは、ローズやゼラニウムなどにも含まれる芳香成分です。
甘く華やかなローズ調の香りを持つため、香水や化粧品などの香料としても利用されています。
パルマローザでは、このゲラニオールが多く含まれることが特徴です。
香りを嗅いだときに感じる「ローズのような甘さ」は、この成分によるところが大きいと考えられます。
また、ゲラニオールには抗菌作用なども知られており、パルマローザ精油の特徴的な作用にも関係しています。
酢酸ゲラニル
酢酸ゲラニルは、フローラルでやや甘さのある香りを持つ成分です。
ゲラニオールとともに、パルマローザの華やかで柔らかな香りをつくる成分のひとつです。
リナロール
リナロールは、フローラルさの中に少し爽やかさを感じさせる香りを持つ成分です。
パルマローザの香りに、単純な甘さだけではない軽やかさを与えています。
パルマローザ精油の作用
パルマローザは、華やかな香りだけでなく、主要成分であるゲラニオールの特徴から、さまざまな作用が知られている精油です。
- 抗菌作用
ゲラニオールなどの芳香成分には、微生物の増殖を抑える方向に働く作用が知られています。 - 抗真菌作用
パルマローザ精油やゲラニオールには、真菌に対する作用も確認されています。 - 抗酸化作用
パルマローザ精油には、酸化ストレスに関係する反応に影響する働きが報告されています。 - 鎮静作用
パルマローザの甘く穏やかな香りは、緊張した気分をゆっくりほどきたいときにも取り入れやすい香りです。
こうした作用については、パルマローザ精油そのものだけでなく、主要成分であるゲラニオールを対象とした研究も行われています。
なお、研究で確認された作用が、そのまま人の病気の治療や予防につながるという意味ではありません。
こんなときにパルマローザ精油を
空間をすっきり心地よく整えたいとき
抗菌作用が知られている香りを楽しみながら、部屋の空気を心地よく整えたい場面に。
気持ちをゆっくり落ち着けたいとき
甘く穏やかなフローラル調の香りなので、慌ただしい一日の終わりに、ゆっくり香りを楽しみたいときにも。
華やかな香りで気分を切り替えたいとき
ローズを思わせる香りは、いつもの空間に少し華やかさを加えたいときにも取り入れやすい香りです。
フローラル系の香りを軽やかに楽しみたいとき
ローズほど濃厚ではなく、草のような爽やかさもあるので、軽やかなフローラルの香りを楽しみたいときに。
植物と歴史
パルマローザは、インドを中心としたインド亜大陸に自生するイネ科の多年草です。
学名はCymbopogon martinii。
レモングラスやシトロネラと同じCymbopogon属の植物です。
パルマローザの名前は、ローズを思わせる甘い香りに由来しています。
古くからインド亜大陸で利用されてきた植物で、現在ではインドを中心に精油を採るための栽培も行われています。
パルマローザ精油が重宝されてきた理由のひとつが、ゲラニオールを豊富に含むこと。
ゲラニオールは香料として価値が高く、パルマローザ精油は香水や石けん、化粧品などの香りづくりにも利用されています。
「草なのにローズの香りがする」という個性が、パルマローザのおもしろいところですね。
香りの楽しみ方
パルマローザは、ローズのような華やかさがありながら、草の爽やかさも持っているので、芳香浴で楽しむのがよく似合います。
芳香浴で楽しむ
アロマストーンやディフューザーで香らせると、甘いフローラルの香りがふんわり広がります。
単独で香らせるとパルマローザの個性をじっくり感じられますし、ラベンダーやベルガモットを合わせると、もう少し柔らかく落ち着いた雰囲気になります。
フローラル系のブレンドに
ゼラニウムやローズと合わせれば、華やかなフローラルブレンドに。
フランキンセンスやサンダルウッドなどのウッディ系と合わせれば、甘さが落ち着いて、少し深みのある香りになります。
「今日は華やかな香りにしたいけれど、ローズだけでは少し重いな」というときに、パルマローザを加えてみるのもいいですね。
バスタイムに
一日の終わりに、パルマローザの甘い香りを楽しむのも素敵です。
ただし、精油をそのまま湯船に落とすと水に溶けず、肌への刺激につながることがあります。
入浴で使う場合は、精油を適切な基材に混ぜるなど、安全な方法を選びましょう。
パルマローザ精油の禁忌事項
パルマローザは比較的使いやすい香りですが、精油は濃縮された芳香成分なので、使い方には注意が必要です。
特にゲラニオールなどの芳香成分は、体質によって皮膚刺激やアレルギー反応につながることがあります。
肌に使う場合は、十分に希釈し、初めて使うときは少量から様子をみると安心です。
また、妊娠中・授乳中、乳幼児、高齢者、持病や服薬がある方は、使用前に専門家へ確認しておくと安心です。
資料によって安全性に関する情報が異なる場合もあるため、自己判断で高濃度に使用するのではなく、使用する精油のメーカーが示している注意事項も確認しましょう。
精油は、植物から抽出された香りの成分が凝縮されたものです。
原液を直接肌につけたり、自己判断で飲用したりすることは避けましょう。
肌に使用する場合は、植物油などで適切に希釈して使います。
また、妊娠中・授乳中の方、乳幼児、高齢者、持病や服薬がある方などは、精油の使用について専門家に確認しておくと安心です。
肌に使用する場合は、体質によって刺激やアレルギー反応が起こることもあります。
「天然のものだから大丈夫」とは限りません。
使用する精油のメーカーが示している注意事項や品質情報も確認しながら、無理のない範囲で楽しみましょう。
Rinkaでの使い方・使用している精油
Rinkaでは、パルマローザ精油を使用しています。
ローズのような華やかさがありながら、少し草のような爽やかさが残るところが魅力。
フローラル系の香りを使いたいけれど、甘さだけの香りにはしたくないときにも組み立てやすい精油です。
香りのブレンドに加えると、ローズ調の華やかさを出しながら、全体を軽やかにまとめてくれます。
自宅でもパルマローザの香りを楽しんでみたい方は、Rinkaで使用している精油をご覧いただけます。
香りをもっと楽しむ
ローズを思わせる香りなのに、実はレモングラスやシトロネラと同じイネ科。
植物のことを知ってから香りを嗅いでみると、「こんな植物から、この香りが生まれるんだ」と、また違った楽しみ方ができます。
パルマローザの甘くやさしい香りが気になったら、ほかの精油とも香りを比べてみてください。


