
「瞑想」と聞くと、静かに座って目を閉じ、何も考えない時間を思い浮かべるかもしれません。
けれど、実際の瞑想は「頭の中を空っぽにすること」だけが目的ではありません。
浮かんでくる考えや身体の感覚、呼吸などにそっと意識を向けながら、今の自分に気づいていく。
そんな時間として、瞑想を捉えてみることもできます。
忙しい毎日の中で、外側に向いている意識を少しだけ自分の内側へ戻してみる。
今回は、そんな瞑想について、基本的な考え方から始め方まで、ゆっくり見ていきます。
瞑想とは?
瞑想にはさまざまな方法や考え方がありますが、共通しているのは、意識をある対象に向け、その状態を静かに観察していくことです。
その対象は、呼吸だったり、身体の感覚だったり、周囲の音だったりします。
たとえば、呼吸に意識を向ける瞑想なら、
「息を吸っている」
「息を吐いている」
という呼吸そのものの感覚を感じてみます。
途中で別のことを考えていたことに気づいたら、また呼吸へ意識を戻します。
この「気づいて、戻る」ということを繰り返すのも、瞑想の大切なところです。
瞑想は「何も考えない」ことではない
瞑想を始めると、
「今日の予定はどうしよう」
「さっきのことが気になる」
「明日は何をしよう」
など、さまざまな考えが浮かんできます。
そんなとき、
「何も考えられない。瞑想ができていない」
と思ってしまうことがあるかもしれません。
でも、考えが浮かぶこと自体は、ごく自然なことです。
大切なのは、考えを無理に追い払うことではなく、
「あ、今こんなことを考えていた」
と気づくこと。
そして、もう一度呼吸などに意識を戻していきます。
考えが浮かぶ。
気づく。
そして戻る。
この繰り返しそのものを、瞑想の時間として味わってみてもよさそうです。
瞑想では何に意識を向ける?
瞑想にはいろいろな方法があります。
呼吸に意識を向ける
もっともシンプルなのが、呼吸を感じる方法です。
鼻から空気が入ってくる感覚。
胸やお腹が動く感覚。
息がゆっくり外へ出ていく感覚。
普段は意識していない呼吸に目を向けてみると、自分の身体が今ここで呼吸していることを改めて感じられます。
身体の感覚に意識を向ける
身体の重さや温かさ、力が入っている場所などに意識を向けていく方法もあります。
肩に力が入っていることに気づいたり、足が床に触れている感覚を感じたり。
「今、自分の身体はどんな状態なのかな」と静かに観察してみます。
音に意識を向ける
時計の音、外を走る車の音、風の音など、周囲にある音をただ感じてみる方法もあります。
音を判断したり、意味を考えたりするのではなく、「音が聞こえている」ということに気づいてみます。
このように、瞑想では必ずしも一つの方法だけを使う必要はありません。
その日の自分に合うものから、気軽に始めてみるのもよさそうです。
初心者でもできる、シンプルな瞑想
まずは5分ほど、自分のための静かな時間をつくってみます。
1.楽な姿勢になる
床に座っても、椅子に座っても大丈夫です。
背中を無理に伸ばそうとせず、できるだけ楽に呼吸できる姿勢を探してみます。
2.目を閉じる、または視線を落とす
目を閉じるのが落ち着かなければ、少し視線を下に向けるだけでも構いません。
3.呼吸を感じる
呼吸を変えようとせず、自然な呼吸をそのまま感じてみます。
「吸っている」
「吐いている」
と、ただ気づいていきます。
4.考えが浮かんだら気づく
途中で別のことを考えていても大丈夫です。
「あ、考え事をしていたな」と気づいたら、また呼吸へ意識を戻します。
5.最後に身体の感覚を感じる
終わる前に、身体の重さや温度、呼吸の状態などを少し感じてみます。
最初から長い時間を行う必要はありません。
1〜5分ほどから始めて、無理なく続けられる時間を探してみるのもよさそうです。
瞑想中に雑念が浮かんだら?
瞑想をしていると、いろいろな考えが浮かびます。
「ちゃんとできているかな」
「今日は眠いな」
「夕食は何にしよう」
そんなことを考えているうちに、呼吸から意識が離れていることもあります。
そんなときは、考えを消そうと頑張らなくても大丈夫。
「今、考え事をしていた」
と気づいて、また呼吸に戻ります。
何度離れても、そのたびに戻ってくる。
それも瞑想の一部です。
むしろ、意識がどこへ向いていたのかに気づくことそのものが、自分の心を観察するきっかけになります。
瞑想で大切にしたいのは「今の自分に気づくこと」
私たちは普段、仕事や家事、予定、人との関わりなど、さまざまなことに意識を向けています。
その中では、自分が今どんな気持ちなのか、身体がどんな状態なのかに気づかないまま過ごしていることもあります。
瞑想では、そんな日常から少し離れて、
「今、私はどんな状態なんだろう」
と、自分自身に意識を向けてみます。
呼吸が浅いことに気づく日もあれば、身体が重く感じる日もあるかもしれません。
反対に、いつもより呼吸が穏やかだったり、身体が軽く感じられたりすることもあります。
毎回同じ感覚になるわけではありません。
だからこそ、その日の自分をそのまま感じてみる時間として、瞑想を楽しんでみるのもよさそうです。
瞑想をもっと楽しむために
瞑想は、特別な場所や道具がなければできないものではありません。
朝起きたとき。
夜、眠る前。
仕事や家事の合間。
少し静かに過ごしたいと感じたとき。
ほんの数分でも、自分のための時間をつくることができます。
部屋の明るさを少し落としたり、心地よい香りを取り入れたり、静かな音楽や自然音を流したり。
自分が「心地よい」と感じる環境をつくってから始めるのも楽しそうです。
大切なのは、決められた形を完璧に行うことよりも、自分に合った方法を見つけていくことなのかもしれません。
おわりに
瞑想は、心を無理に静かにするためのものではありません。
浮かんでくる考えや呼吸、身体の感覚に気づきながら、少しずつ自分の内側へ意識を戻していく時間。
忙しい毎日の中で、ほんの数分立ち止まって、
「今、自分はどんなことを感じているんだろう」
と見つめてみる。
そんな時間から、始めてみるのもよさそうです。
心や感覚には、まだまだいろいろな楽しみ方があります。

