
朝起きたときに顔が重く感じたり、夕方になると靴がきつく感じたり。
「今日はなんだか脚が重いな」と、むくみを気にすることはありませんか?
長時間座っていたり、立ちっぱなしだったりすると、特に脚はむくみを感じやすい場所です。
むくみというと「リンパの流れが悪い」「老廃物が溜まっている」と考えがちですが、身体の中ではもう少し複雑な仕組みが関わっています。
そこで今回は、むくみが起こる身体の仕組みを少し知りながら、アロマで楽しめる精油を選んでみます。
むくみは、身体の中で何が起きている?
私たちの血液は、心臓から動脈を通って全身へ運ばれます。
細い毛細血管まで届くと、血液中の水分の一部が血管の外へ出て、細胞の周りにある組織液となります。
この水分は、細胞との間で栄養や代謝産物などをやり取りしたあと、再び血管やリンパ管へ回収されていきます。
この「出ていく水分」と「戻ってくる水分」のバランスが崩れ、組織に水分が多く残ると、むくみとして感じられることがあります。
特に脚は、心臓から遠いうえに、重力の影響を受けやすい場所。
さらに、ふくらはぎなどの筋肉が動くことで、静脈の血液が心臓へ戻るのを助ける「筋ポンプ」の働きもあります。
長時間座りっぱなし、立ちっぱなしで脚をあまり動かさない状態が続くと、この筋肉の動きも少なくなります。
そのため、夕方になると脚が重く感じたり、靴下の跡が残ったりすることがあります。
むくみを考えるときは、単純に「余分な水分や老廃物を出す」というだけでなく、身体の中で水分がどのように移動しているのかを考えてみると、セルフケアの選び方も少し変わってきます。
むくみが気になるとき、どんな香りを選ぶ?
精油を選ぶときは、「むくみに効く精油」という一つの答えを探すよりも、
- すっきりした香りを楽しみたい
- 森林のような香りに包まれたい
- 軽やかな柑橘の香りで気分転換したい
- 少し甘さのあるハーバルな香りを楽しみたい
など、その日の身体や気分から選んでみるのもよさそうです。
ここからは、むくみが気になるときに選択肢にしやすい4種類の精油を、香りの特徴と芳香成分にも触れながら見ていきます。
ジュニパーベリー|森林を思わせる清々しい香り
ジュニパーベリーは、すっきりとした森林を思わせる香りを持つ精油です。
主な芳香成分には、α-ピネンなどのモノテルペン類が含まれています。
ジュニパーは、古くからさまざまな用途で利用されてきた植物で、精油についても利尿や循環などに関する研究が行われています。
ただし、精油を使ったボディケアによって「身体の余分な水分を排出できる」と単純に考えることはできません。
むくみが気になるときに、すっきりとした森林系の香りを選びたいという場合に、候補のひとつとして楽しんでみるのもよさそうです。
サイプレス|すっきりしたウッディな香り
サイプレスは、清々しさの中に少し落ち着きも感じられる、すっきりとしたウッディ系の香りです。
主な芳香成分にはα-ピネンなどのモノテルペン類が含まれ、植物の香りらしいシャープさがあります。
サイプレスには、血管や炎症などに関するさまざまな研究があります。
むくみそのものを精油で改善すると考えるのではなく、脚の重さを感じる日に、すっきりした香りでボディケアの時間を楽しみたいときの精油として取り入れてみるのもよさそうです。
ジュニパーベリーと合わせると、森林を思わせる清々しいブレンドになります。
グレープフルーツ|軽やかな柑橘の香り
グレープフルーツは、みずみずしく爽やかな柑橘の香り。
主な芳香成分はリモネンで、明るく軽やかな印象をつくります。
むくみを気にしているときは、身体だけでなく「なんとなく気分まで重い」と感じることもあります。
そんなときには、身体への働きだけを目的にするのではなく、爽やかな香りで気分を切り替えるという選び方もあります。
グレープフルーツを使ったブレンドは、重たくなりすぎず、日中にも楽しみやすい香りです。
なお、柑橘系精油の一部には光毒性に注意が必要なものがあります。使用する精油の種類や製品の注意事項を確認してから、肌に使うようにすると安心です。
フェンネル|甘さを含むハーバルな香り
フェンネルは、少し甘さを含んだ独特のハーバルな香りを持つ植物です。
主な芳香成分としてアネトールなどが知られています。
フェンネルは古くから食用やハーブとして利用され、消化やお腹の張りなどを意識した植物としても知られています。
そのため、脚のむくみだけではなく、食後のお腹の重さや張りなども気になるときに、ハーバルな香りを楽しみたいという選び方があります。
ただし、フェンネル精油は使用上の注意が比較的多い精油です。
妊娠中や授乳中、ホルモン依存性疾患がある場合などは、使用を控えるなどの注意が必要です。使用する際は、精油の安全情報を確認しておくと安心です。
フェンネル精油について詳しく見る|精油辞典
むくみを感じるときのアロマケア
精油は、香りを楽しむだけでも取り入れられますが、むくみが気になるときには、身体をやさしく動かすケアと組み合わせる方法もあります。
ボディオイルで脚をゆっくりケアする
キャリアオイルに精油を希釈して、脚をやさしく触れていきます。
ここで意識したいのが、強い力で「リンパを流そう」とすることではありません。
ふくらはぎの筋肉を軽く動かしたり、足首を回したりすることも、脚の循環を考えるうえで取り入れやすい方法です。
座りっぱなしの時間が長かった日は、
足首を動かす
→ ふくらはぎを軽く動かす
→ オイルでゆっくり触れる
というように、身体を少しずつ動かしていくのもよさそうです。
精油を肌に使う場合は、濃度や使用部位、安全性を確認してから使いましょう。
お風呂で香りを楽しむ
一日の終わりに身体を温めながら香りを楽しむのも、心地よい方法のひとつです。
湯船につかることで身体が温まり、リラックスする時間にもなります。
ただし、精油はそのままお湯に入れても水に溶けません。
浴槽に使う場合は、精油をバスオイルなどの適切な基材に混ぜてから使う方法があります。
お風呂での精油の使い方について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
芳香浴で気分を切り替える
身体に精油を使わなくても、香りを楽しむだけならもっと気軽に取り入れられます。
仕事の合間にグレープフルーツの爽やかな香りを楽しんだり、夜にジュニパーベリーやサイプレスの落ち着いた香りを選んだり。
「むくみを取るため」だけに香りを使うのではなく、身体の重さを感じたときに、少し気分を切り替える時間をつくる。
そんな使い方も、アロマの楽しみ方のひとつです。
むくみが続くときは、身体からのサインかもしれません
一時的なむくみであれば、長時間同じ姿勢を避けたり、身体を動かしたりすることで変化することもあります。
一方で、
- 急に片側だけが腫れてきた
- 強い痛みや赤み、熱感がある
- 息苦しさや胸の痛みなどを伴う
- 原因が思い当たらないむくみが続いている
- 全身のむくみが気になる
といった場合には、アロマケアだけで様子を見るのではなく、医療機関に相談することも考えておきたいところです。
むくみには、生活習慣だけでなく、心臓・腎臓・肝臓・血管などさまざまな身体の状態が関係する場合があります。
「いつものむくみ」と決めつけず、いつもと違う変化があるときは身体の声に目を向けてみましょう。
まとめ|その日の身体と気分に合う香りを
むくみは、単純に「老廃物が溜まった状態」というだけではなく、血管と組織の間での水分移動や、静脈・リンパ系による回収、筋肉の動きなど、いくつもの仕組みが関係しています。
だからこそ、精油を選ぶときも「むくみに効く香り」をひとつ決めるのではなく、
森林のような清々しさならジュニパーベリーやサイプレス。
爽やかに気分転換したいならグレープフルーツ。
甘さのあるハーバルな香りならフェンネル。
というように、香りの印象から選んでみるのもよさそうです。
身体を少し動かしたり、温めたり、ゆっくり触れたり。
そこに好きな香りを添えて、自分の身体に目を向ける時間をつくってみてはいかがでしょうか。

